10年目の蝉しぐれ、絶望。

私のデビュー作。

映画「蝉しぐれ」

2005年公開の作品。

10年の時を経て上映会があり、多治見市に御招き頂きました。

今は少ない、フィルム上映にこだわって上映して頂き、10年ぶりにスクリーンで観させて頂きました。

2時間11分。

こんな素晴らしい映画鑑賞は初めての経験でした。10年できっと沢山変わったのでしょう。たくさん気付くことがあったのでしょう。
10年。

なんやかんや、この世界に生き残り、日々もがきながらここまできました。
10年前には感じることのなかった感動。

何度も泣き、何度もこみあげ、上映が終わっても涙止まらず。
思いっきり殴られたように放心状態。

こんな素晴らしい作品にはもう一生出られないのだろうという役者としての絶望。

現代に生きる人としての恥ずかしさでも。

こんな気持ちになるなんてあまりに衝撃的で、呼吸困難。

役者として今後どうしていけばいいのかと気力を失う私たちに、黒土監督は素敵な言葉をくれました。

「俳優は作品の事より役の事を考えればいい。役を生きられるということが幸せなんだから。」
良い作品に出たい。それは役者なら誰でも思うことでしょう。

でも良い作品って何だろう。誰にとっての良いなんだろう。
作品の感想は人それぞれ。

どんな作品でも、喜怒哀楽問わず誰かの心の中で何か感じてもらえたら素敵だなと私は思ってやってきました。

今までやらせてもらった作品は、映画、テレビ、舞台全部、その時々のベストでやってきた自負があります。
でも、デビュー作に勝るものはきっともうないでしょう。
それはもうどう頑張っても敵わない。
同じく今までやってきたことと同じ瞬間は2度とないということ。
でもそれでいいのかもしれない。
一生満足せずにいられるということが、

きっと苦しくもあり幸せなんだろうと。

10年たって、やっとわかりました。

蝉しぐれ
誰かにとって素晴らしい作品だったとしても、全然響かない作品だったとしても正直どうでもいい。
私にとっては、役者人生の全ての始まりで全ての終わり。
出会い経験全てが絶対的。
黒土監督のこだわり生き方すべて。

尊敬だし光栄だし恐縮。
また10年後に観たら、違う事を想うのでしょう。
だから、映画って素晴らしい。

そしてフィルムって素晴らしい。
フィルムの味は作品を何倍も深いものとする。
フィルムがほぼない時代になってきたからこそ、味わい深いものにしていくことはもっともっと難しいのでしょう。
でも嘆くのではなく
全然足りなくたって諦めずに演じていくことこそが、私達世代がここで生きていくということかもしれない。
映画は好きだしずっと映画に携わって生きていきたい。でも映画のことはよくわかりません。
ただ好きなら大切にしていきたい。
デジタルはダメだ!なんていうのではなく、今の時代なりの最大の良さを感じていきたい。
まだまだ放心状態は残っていますが、絶望からの希望も忘れず、日々を大切にと思います。
こんなに素晴らしい作品に出演出来たこと、デビューの時を映画で生きさせて頂けたこと、私の自慢です。

皆さんにとって、ベスト1じゃなくてもいい。

何かを想うきっかけとなれる作品に携わっていけたらなぁ。

そして他にも観てみようって思ったりして、もしも私みたいな絶対的な作品と出会えるきっかけとなる映画体験を出来る人が1人でも居てくれたら幸せだなぁ。。。

なんて、なんだか大きな夢で大それてしまった。
そんなことを改めて思いながら迎えた27歳。
たくさんの周りの方にお祝いメッセージをもらい、祝ってもらって、幸せだなぁとつくづく。
もっと頑張らなくてはと思います。
ここ数ヶ月、ブログにログイン出来なくなり、更新しなさすぎてついに拒否されているのかなんて思ったりしていました。

お誕生日には、いつもメッセージ頂くのでお返ししなくちゃとパソコン先生に聞くも、何をしても私の携帯からもパソコンからもログイン出来ない。
もうこれはなんか乗っ取られたのかもと強く思うようになり、ネットの世界は私に向かないんだー!っと恐々してましたが、
まさかの
「さっつん、サイトアドレス違う!」
・・・もっと大人になりたいです。

ここ半年程で母親役を3回やらせて頂きました。何か変わってきているのかもしれませんね。

めげずにくじけずに、頂ける役があるならば精一杯励んでいきます。
事務所にお花を贈ってくださったり、メッセージくださったり、、、伝えてくださった皆さん、本当にありがとうございます。
さっつんらしら、さっつんのなりたい人間像、日々考えながら、目指しながら、何より日々の幸せを大切に過ごしていきたいとおもいます。
楽しくね!

皆さんも些細な幸せを感じる心を大切に過ごしてください。

 

いつもありがとうございます。

かわらずさっつんはここで頑張る!
  

また、会いましょう。

愛ある日々を。
佐津川愛美